腕時計のベルトを自作しました。
先日腕時計をオーバーホールしたときに、ベルトがボロボロになっていることに気づき、新しいベルトを購入しようか悩みましたが、ベルトを自作することにしました。以前から作ってみたいと思っていたのと、ベルトくらい簡単にできるっしょって思ったので、作ってみました。
時計のベルトのサイズの決定と素材の選定
ベルトのサイズは、以前に使っていたベルトと同じ大きさにすることにしました。
手本があったほうが、断然作りやすいので、サイズを真似ました。
素材は、以前に使っていた長財布の外側の革です。
財布のファスナーが故障したときに、外側の革を別の革に取り換えたので、その時「何かに使うかも」と、とっておいた革です。
革自体は良質のもので、栃木レザーのヌメ革で使用したことで、だいぶ味が出ています。とらパパの腕時計にとても似合う気がします。
この腕時計は15年くらい前に購入して、何度もオーバーホールに出して大事に使っている機械式の時計(Girard-perregaux Ferrari 275 La Mans)です。とらパパが若いときに奮発して買った愛着ある1本なので、ベルトも素敵なものをつけてあげたい!
尾錠は以前に使っていたベルトの尾錠を再利用しました。
ベルトの作り方
まず、ベルトのサイズに革を切ります。
ベルトの表と裏になる革を縫い合わせて作るのですが、バネ棒を通す隙間と尾錠を通す隙間 を作るために表側の革を長くし、折り返して縫うことで通す隙間を作ります。
写真の尾錠側のベルトですが、時計側と尾錠側が折り返して縫ってあることがわかると思います。時計側は1cm、尾錠側は1.5cm表の革を長くして折り返してあります。
剣先側のベルトは時計側だけ折り返して縫うため、表の革は時計側を1cm長くします。
次に、表の革と裏の革をボンドで固定します。
この時、折り返す部分にはボンドはつけません。
次に尾錠のツク棒を通す穴をあけます。楕円抜きがあればいいのですが、持ってないので、ハトメ抜きで2か所穴を抜いて、カッターで切って繋げました。
実際に尾錠をセットしてみてツク棒の動きをしっかり確認します。問題があった場合はもう少し広げるなるの工夫が必要です。今回は必要ありませんでした。
剣先を止める定革と遊革を作成します。
5mmくらいの幅に切った革を輪にするのですが、とらパパは両端に菱目きりで穴をあけ、糸で縫って輪にしています。(左の写真のベルトを通すループのことです)
次にコバ処理をします。
コバ処理の方法 (今回の革はヌメ革なのでコバ処理がしやすいです)
- コバを水で濡らして布で磨く
- トコノールを塗ってヘラで磨く
- トコフィニッシュを塗る
以上の方法で今回はコバ処理をしました。
本来であれば、ヘリを落としてからコバ処理した方がいいのですが、ヘリを落とすとヘリの部分の色が表皮の色と若干異なってしまうので、見た目的に今回はヘリを落とさずそのままコバ処理をしました。
(ヘリの写真です。小さすぎてよく見えないかな。)
次に、表側を折り返してボンドで貼り合わせます。
バネ棒を通す時計側と尾錠側の両方を折り返して貼り合わせます。
尾錠側は定革を固定するので、定革を挟んで貼り合わせます。
ボンドが乾いたら、次は縫い目を菱目打ちであけていきます。
菱目打ちを打つ前に、ステッチンググルーバーで菱目打ちを打つためのガイドをつけていきます。ガイドの後をつけれたら、菱目打ちで穴を開けていきます。今回は3mmの菱目打ちを使用しました。
次に、針と糸で縫っていきます。
今回は、麻の糸(エスコード麻手縫い糸)を使用しました。色的に今回の革の色とマッチしそうだったのでこちらを使用しました。この糸は、蝋を引いてない糸なので、自分で蝋引きをします。蝋は専用の「糸引きロウ」を使用しました。
糸で縫い終わったら、最後にベルトの穴を開けていきます。
今回はハトメ抜き(1mm)を使用してあけました。
腕時計ベルトの完成です。
ブラウンの落ち着いた感じの素敵な仕上がりになりました。
まとめ
今回は腕時計のベルトを自作しました。
見本があったため、サイズ設定に悩むこともなく、また、ベルトの作り方も悩まなくても作成することができました。そのため、時間もそれほど掛からなかったです。
ボンドが乾く時間がどうしても必要なりますが、それを除けば2時間程の作業でできました。
意外と簡単にできたので、今度は違う革で作成してみたいと思いました。今度、違う革を仕入れることがあれば、作成したと思います。